親知らずを抜いた後に「絶対」にしてはいけないたった一つのこととは?
親知らずを抜歯した後は抜いたところが穴になってしまうので、食べ物がつまってバイキンが入らないか、しばらく口の中が血の味がしたり唾に血が混じったり…などなど色々と心配になることも多いですよね。
しかしながら、抜いた直後にあることをしすぎてしまうと傷が治るどころか、もっと痛みがでてしまうことも。今回は親知らずを抜歯した後にしてはいけないことについてお話します!
親知らずの抜歯後数日はしてはいけないこととは
それは、ずばり「強く口をゆすいだり、うがいをすること」です!
その他としては「喫煙」、「傷口を舌で触る」などがあります。
どうして強く口をゆすいだり、うがいしてはいけないの?
それは親知らずを抜いた後の治り方に関係するからなんです。まずは親知らず抜歯後の穴の塞がり方について説明していきます。
①抜歯当日:血餅(けっぺい)ができる
抜歯後の穴に血餅という血の塊ができます。これはいわゆるかさぶたと同じようなもので傷口をふさいで保護をしてくれる役割があります。実はこの血の塊である血餅こそが抜歯後の穴が塞がるのに非常に重要な役割を果たしてくれます。強く口をゆすいだり、うがいしてしまうとこの大切な血餅がはがれてしまい、強い痛みに繋がったり、治りが遅くなる可能性が高くなってしまいます。
この血餅がはがれてしまい傷口の中の骨がむきだしになってしまうことを「ドライソケット」といいます。後で詳しく説明していきますね。
②抜歯から3〜4日後:歯ぐきの再生が始まる
この頃から抜歯した穴の周囲から歯ぐきの再生が始まります。しかし、まだまだ穴は塞がっていませんので舌で触ったり、歯ブラシを強く当てたりすることは避けたほうがよいでしょう。
③抜歯から1週間後:血餅が肉芽組織(にくげそしき)へと変わる
肉芽組織とは簡単にいうと未熟な歯ぐきのようなものです。肉芽組織ができ始めてくれば強くゆすいだりしてもはがれることはありません。しかし穴はまだ塞がってはいませんので食べ物がつまって気になる、といった状態はまだ続きます。ですが、この頃くらいからだと強くゆすいで食べかすを洗い流しても問題ありません。
④抜歯から1ヶ月後:肉芽組織が骨へと置き換わり始める
抜歯した穴の中にある肉芽組織が次第に骨へと置き換わってきますがまだまだ上の方の穴は塞がっていません。
⑤抜歯から約3ヶ月後:抜歯した穴がしっかりと塞がる
この頃になると歯ぐきや骨もしっかりと治ってくることが多いです。
ドライソケットとは?
強くゆすいだり、うがいするなどで血餅がはがれてしまい中の骨がむき出しになってしまうことを「ドライソケット」といいます。しかし、このドライソケットは実際のところ起きてしまうのは稀であり、起きるのは基本的に下の親知らずであることがほとんどです。私自身今までに数千本の親知らずを抜歯してきていますが、ドライソケットになってしまったケースはおそらく片手で数えられるくらいではないかと思います。ですから、親知らずを抜いた後かなり痛い!となってもドライソケットになっていることはほとんどないのでご安心ください。もちろん不安なことがあればいつでもご連絡いただき受診してくださいね。
ドライソケットの症状とは?
このドライソケットは通常抜歯後の痛みが落ち着いてくる3〜5日後に起こることが多く、非常に強い痛みを伴います。強くゆすいだり、うがいすることが最も大きな原因と言われていますが、それ以外でも起こる場合があるのではっきりとした原因は不明のことも多いです。
ドライソケットの治療って?
ドライソケットになってしまった場合に行うことはまずは抜歯した穴の洗浄を行います。清潔な生理食塩水でやさしく患部に入ってしまった食渣(食べかす)洗い流していきます。次に行うことは患部の保護です。患部に直接刺激が行かないように、食渣が極力入らないように表面麻酔を塗布したコラーゲンスポンジをやさしく挿入して患部の保護を行います。そして抗生物質と鎮痛剤を処方します。この洗浄と保護を3,4日に一度繰り返すことで多くの場合症状が改善していきます。
ドライソケットのリスク因子
喫煙
喫煙はドライソケットを増加させるという報告があります。私の経験としても喫煙者はドライソケット以外でも抜歯後の治癒の遅延などの悪影響がありますので喫煙されている方は少なくとも抜歯後1週間程度は禁煙されることが望ましいと思います。
経口避妊薬(低用量ピル)を服用している
低用量ピルを服用しているとドライソケットが増加する可能性があるという論文報告があります。原因は明らかではありませんが、低用量ピルによる線溶系の更新が抜歯窩の血餅に作用している可能性が考えられています。
低用量ピルを服用されていて、ドライソケットのリスクをできるだけ低くしたい場合は28日周期の最後の1週間(エストロゲン活性が低いため)に抜歯を行うと低用量ピルによるドライソケットのリスクを軽減できるとされています。
まとめ
・親知らずを抜いた穴を清潔に保とうとして強くゆすいだり、うがいすることで傷口の治りに大切な血餅がはがれてしまい、ドライソケットというかえって痛みが強い状態に陥ってしまうことがある。
・抜歯後2,3日は強くゆすがずに優しくゆすぐ、歯ブラシは手前の歯までみがいて傷口はできるだけ触らない。
・処方された薬は用法、容量どおりに服用する。
・抜歯の際に説明があった抜歯後の注意事項をしっかりと守る。
これらのことを意識して気をつけておけばドライソケットになってしまうことはそうそうありません。是非参考にしてみてください!
「抜歯直後の強いうがい」はくれぐれもしないように!
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