ISQとは?インプラント治療を受ける前に知っておきたいこと
前回の記事「抜歯即時埋入って何?抜歯とインプラントを同時に行うメリットとは?」
https://fiore-oc.jp/2024/10/26/1853/
の中で記載した「ISQ値」について多くの質問をいただきましたので、今回はインプラントを埋入する上で非常に重要な数値である「ISQ値」について詳しくご説明いたします!
ISQとは?
ISQとは「Implant Stability Quotient」の略で日本語に訳すと「インプラント安定指数」といい、インプラントの安定性を示す指標の一つです。
このISQを測定する器械をISQ測定器、もしくは共振周波数分析器といいます。
ISQの測定方法
1.「ペグ」と呼ばれるピンのようなものを「フィクスチャー」と呼ばれるインプラント本体に装着します。
2.ISQ測定器をペグに近づけ磁気パルスを発振させて、ペグとの共振周波数を測定します。
イメージでいうと、「ペグ」が音叉のようなもので「ISQ測定器」が音を発する器械でその振動数を測定しているというイメージです。
ISQ値は何を表しているのか
ISQ値は1〜99の範囲で測定されます。数値が高い方がインプラントが骨の中でしっかりと安定しているということを示します。目安としては
ISQ値70以上:高い安定性
ISQ値60〜69:中程度の安定性
ISQ値60未満:低い安定性
とされています。この数値を参考にして上部構造を装着してしっかりと噛ませる、「荷重をかける」時期を決定します。
ISQはいつ測定するのか?
インプラント埋入時と印象(歯型どり)の2回測定することが多いです。
インプラント埋入時の測定において、抜歯即時埋入や骨質が柔らかい場合は少し数値が低くでる場合がありますが、その日に仮歯をいれるなど特別な状況を除き大きな問題になることはほとんどありません。当院では埋入時のISQ値は次回の印象採得を行う時期を決定するための指標として、
ISQ値70以上:6〜8週間後
ISQ値69〜60:10〜12週間後
ISQ値60未満:12週間後以降
この他に埋入時の初期固定と呼ばれるトルク値(インプラントがどのくらい骨に硬く固定されたかのねじりの強さ)と合わせて総合的に判断しています。
印象採得の際にはインプラント埋入時よりもISQ値は上昇していることが多いのでその確認をします。
70以上あれば問題なく印象採得を行うことができます。万が一ISQ値がインプラント埋入時より低下している場合は感染などにより骨と固定されていない可能性があるため原因を精査します。
ISQ値を測定するメリット
ISQを測定するメリットは
「客観的な数値で骨とインプラントとの安定性を測定することができる」
「非接触式の測定方法なので、測定の仕方による数値の変化というものがあまりなく、安定した測定結果が得られる」
「初期固定と合わせて印象採得や荷重をかける適切なタイミングが把握しやすい」
「数値を患者さんと共有し、インプラントがどのような状態なのかがわかりやすい」
実はこのISQ測定器はインプラント治療を行っている全ての医院が所有しているわけではありません。理由としては
「初期固定の数値を目安にしている。」
「ISQ測定器はインプラントの固定に直接的に関わらない。」
「初期固定が低くても待つことで骨と結合する。」
といったことが挙げられます。ISQ測定器がないからといってインプラント治療に問題が生じるかというと、そのようなことはほとんどありませんし、しっかりと時間を置くことでほとんどのインプラントが骨と結合しますのでご安心ください。
まとめ
当院では、インプラント治療の成功率を高めるためにISQ測定器を導入しています。この機器を使うことで、インプラントが骨とどれだけしっかりと結合しているかを数値で確認することができます。これにより、患者さん一人ひとりに合った最適な治療計画を立て、より安全で確実なインプラント治療を提供することが可能になります。また、治療中の変化を数値で確認できるため、患者さんも治療経過を安心して見守っていただけます。
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症例紹介:https://fiore-oc.jp/case_cat/implant/
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